限界

これはグミか それともガムか

2020秋アニメ1話感想

はじめます

 

 

 

ひぐらしのなく頃に

一応旧アニメは「解」まで視聴済み。リメイク発表時はどうなることやらと思っていたけど、なんとキャストが続投(流石にスタッフは変わった)。

実際に見てみるとキャラデザの変更で画面の雰囲気は変わってるものの、演出は過去作を引き継いでいていい感じかな?エンディングの粋な計らいも嬉しい。

しかしただのリメイクだと旧作の焼き直しになってしまうので、どこかで新路線出してくるんじゃないかなと予想。そのあたりが受けいられるかどうかでこのアニメの行く末が決まりそう。

 

魔女の旅々

前評判で「キノの旅」みたいな話だとは聞いていたけど、第1話が丸々主人公の生い立ちの話で驚いた。これだとどんなアニメなのか伝わらないんじゃないか……?

最近のは特にそうだけど、物語は途中から始まりがちだ。TVアニメの性質上、観客が次に視聴できるのは一週間後で、その間に興味を失ってしまったり、存在を忘れてしまうこともある。だから観客の注意を引いて、疑問点や、「次週はどうなるんだ?」と思わせるような引き(クリフハンガー)を作る必要がある。それを実現しやすいのは、物語を途中から始めるというやり方だ。

そこでこのアニメの第1話はどうだろう。「こうして私は旅立ちました」と言われても、特に気になる謎がないから次週が気にならない(キャラの好みで次週も見たくなることはあるかも)。Twitterや動画サイトで「いい最終回だった」と視聴者に言われるのは半分冗談で半分必然だ。この物語は第1話できれいに終わっているからだ。

気になったので調べてみたら、原作はちゃんと途中から始まっているらしい。時系列を操作する理由が何かあるのかな。2020年のアニメはわかりやすいほうが好まれるのかもしれない。

 

魔法科高校の劣等生 来訪者編

わかりやすさで言ったら右に出るものはいない。タイトルからしてまずわかりやすい。設定を盛りまくる一方話を単純化し、演出でさらにわかりやすくするやり方はもはや様式美。これこれ、こういうのでいいんだよ。

内容は1期の続き、お兄様がやりたい放題した結果どうなるのかという話が描かれるみたい。劇場版はもっとあとの時系列ということかな。

 

 

呪術廻戦

チェンソーマン」と並んで良く名前を耳にしていたジャンプ漫画がついにアニメ化。そういえば「物語を途中から始める」のかんたんな例かもしれない。

まずOPがかなり良くて、これはこだわってるなと嬉しくなった。原作既読者はどこまでアニメ化するのかをOPから判断してそう。

戦闘の作画もいいし何よりカット割りが好み。伏黒が式神を呼ぶときのポーズがキマるカットからの「食っていいぞ」がお気に入り。あと呪物の鳴き声?も加工が効いてていいと思った。

主人公については、フィジカルが最初から化け物並というのが特徴かな?凡庸な人間が何かしらの力を手に入れるのがジャンプだと思ってたので驚いた。もしかしたら理由があるのかもしれないけど。あと行動倫理も面白い。祖父の死は正しいが知り合いのこれは間違った死。ここの声優さんの演技も最高だと思った。

そしてしっかりと2話をみたくなる引きがある。週刊連載の漫画ってすげ~

 

 

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

実はラブライブに触れるのはこれが初めて。今までの作品を知ってはいたもののキャラデザが苦手だったので避けていたんだけど、新しいこれは最近の一般向けアニメみたいで個人的に好き。

驚かされたのは歌っているときの演出のすごさ。ラブライブがダンスシーンに3DCGを使っているのは知っていたけどここまでクオリティが高いとは知らなかった。もはや手描きと3DCGの違いがわからない。おそらく一部は手描きでやっていて、その手描きも3DCGをトレスするようにして描いているからじゃないかと思うんだけど、いかんせん見分けがつきづらくてわからない……。

エンディングは同じようなクオリティの映像で、今後毎週違うのが出てきたら腰を抜かす自信があるけど流石にそれはないよな?

 

戦翼のシグルドリーヴァ

「リゼロ」の原作者である長月達平がシリーズ構成・脚本を担当するオリジナルアニメで、しかも空戦ものとのことで期待していた。

 

まず特筆すべきなのは、第1話が2話分の長さであったこと。これについては非常に高く評価したいと思った。なぜなら、先述したように、TVアニメの第1話で視聴者に興味を持ってもらうのはとても重要なのだが、同時に大変なことでもあるからだ。

普通の放送枠だと1話は20分。その尺で人物を登場させ、世界観を軽く説明し、少々惹きつけられる展開を用意しなければいけない。人物が登場しないと感情移入が難しいし、説明がないとわけがわからないし、展開が面白くないと退屈してしまうので、この3要素はどれも欠かしてはならないものだ。

それを補う1時間枠ということでこれは気合の入ったものが見られるぞと思っていたけど、ちょっと物足りなかった。

 

空戦シーンが4つも入っていてなかなか派手なのだが、見ていて一番気になる「なぜ主人公たちはレシプロ機に乗っているのか」という疑問について説明がなかったのが残念で、加えて搭載されている武装についても説明がないので、「古めかしいプロペラ機の機銃が謎の生命体をパパパと攻撃したが全く効果がなく、味方が『なんて硬さだ……』と驚く」というシーンがただのギャグだ。

 

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©戦翼倶楽部/909整備補給隊

 

そりゃそんな機銃じゃ効果ないでしょ核ミサイル効かないのさっき見たもん……。

主人公たちの乗るレシプロ機が核ミサイルやステルス機に比べてどう強いのか?ここについての説明がないので戦闘シーンで勇者砲とか言われてもちょっとよくわからないしすごいのかすごくないのか伝わってこない。

そして終盤の「設定にそんなマジになっちゃってどうすんの」と言わんばかりの展開が憎いし、レシプロ機についてはたぶん大した設定はないんだろうなと思う。

 

 

アクダマドライブ

ダンガンロンパ」の脚本とキャラデザが原案を担当ということで期待してたけど期待以上だった。監督はTVアニメ版ペルソナに関わっていただけあってハイカラな演出もできるしアクションにも気合が入っていた。

舞台はサイバーパンクな関西で、かなり「ブレードランナー」やそれに追随する作品の影響を受けているみたい。サイバーパンク系でちょくちょく描写されてた妙にキラキラした日本が、日本人によってまた作られるとは感動。

攻殻機動隊」とか「AKIRA」のオマージュに気を取られて気づかなかったけど、メインになる話はダンロンと同じく役割が決まったデスゲームになりそう。

 

主役の一人を担当する黒沢ともよがコロナ感染というニュースもあり、この先が色々気になる。

  

 

アサルトリリィ

ちらっと前評判を聞く限りブシロードのソシャゲのアニメ化?と思ってたけど予想以上に複雑な生い立ちをしていたアニメ。

もともとはフィギュアとオリジナルストーリーを組み合わせたプロジェクトらしく、まずアクションフィギュア発売、その後ノベライズ、舞台化を経てブシロードが目をつけ漫画化、アニメ化に至ったらしい。

そのアニメのスタッフもなかなかおもしろく、制作がシャフト、監督が佐伯昭志。彼はめだかボックス3月のライオンなどシャフトアニメを多く担当しているが出身はなんとGAINAXで、新世紀エヴァンゲリオンの動画や原画をやっていたそうだ。

 

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©AZONE INTERNATIONAL・acus/アサルトリリィプロジェクト

 

そういうわけで新房昭之っぽい演出が入ることもある。

 

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©AZONE INTERNATIONAL・acus/アサルトリリィプロジェクト

 

でも戦闘シーンについてはシャフトらしからぬ?派手な作画とカット割りで、今期随一のクオリティじゃないか?と感じるくらいすごかったと思う。

また会話シーンでは京アニを彷彿とさせる演出も。

 

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©AZONE INTERNATIONAL・acus/アサルトリリィプロジェクト

 

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©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

 

いや別に光と影にキャラクターの意味を重ねる演出は京アニだけじゃないだろ……と思っていたら第1話の絵コンテに京アニ出身の長原圭太が関わっていた。もしかしたら本当に京アニの影響かもしれない。

物語はかなりテンプレ的だけど、こういったいろいろなルーツを探すのが楽しいアニメになるかもしれない。

 

 

安達としまむら

このアニメ、今期一番期待してたんだけどなあ……。

キャラデザがまず好みではない。原作未読だけどこういうのじゃなくない?なんでこんなにテカってるんだろうか。

そして1話なのに作画が不安定!どういうことなんだ?クレジットを見ると総作画監督が5人もいて、加えて作画監督が4人いる。普通全部で1人だし多くても3人だ。

 

総作画監督とは何かというと、作画の人によって描かれた絵の絵柄を一本化してまとまりを出し、演出や脚本に沿わなかったり、おかしい作画だったら修正を行う立場の人で、つまり線画を最終的に仕上げする人だ。

なので出来ればキャラデザの人がやったほうが絵柄が安定するし、そうでなくても誰か一人にやってもらったほうがいい。そうは言ってもスケジュールの問題で一人だけでは修正しきれなくなることもある。そういうときは総作画監督を増やして対応するがそれも多くて3~4人、たいていはクールが終わりに近づいてからの話だ。

 

ところが一話あたりの監督を行う作画監督が4人いて、それを監督する総作画監督が5人って結構スケジュールがヤバいことが予想される。例えばスケジュールがヤバすぎて監督がTwitterで愚痴った「Just Because!」1話だと作画監督が2人で作画監督補佐が12人……これに比べれば大したことないか!!!!!

 

んなわけあるか!!!!!!!!!!!!!

 

 

神様になった日

展開?伏線?んなもん知るか!みたいなやりたいことやる1話。Charlotte1話はかなり掴みが良かったけど結局竜頭蛇尾だったこともあって吹っ切れたか?しかしこういうノリが通じてた頃の視聴者はおっさんになってあまりテンション高いのはつらいんじゃないかな。かといって今の視聴者はこういうノリは寒いと感じそう。

 

もう少し1話で気になることが起こって欲しかった気もする。また最後の方詰め込みすぎないようにね。

 

 

おわりに

今期は結構見るものがあるので書いてみた。BtWについてはまた今度書く